いきなりですが、みなさん「生命保険」には加入していますか?
「もちろん!」
と答える人が多いのではないでしょうか。
なぜなら、生命保険文化センターが3年ごとに発表している「生命保険に関する全国実態調査」において、日本人の約9割の世帯がなんらかの生命保険に加入しているという結果が出ているからです。
2015年度(3年おきなので現時点での最新データ)では、初めて生命保険の世帯加入率が90%を切ったとはいえ、これはかなり高い数値だと言えるでしょう。
この日本人の生命保険への加入率の高さを見て、保険を学び始めた当初、私はこう思っていました。
「日本人は、真面目で用心深いからこそ、将来のためや家族のことを考えて多くの人が生命保険へ加入しているんだろうなぁ」と。
ところが、保険を学び、様々な人の保険の相談を受けてきた今となっては、当時の私がいかに知識のない無学な人間だったかを思い知らされます。
実は、日本人と生命保険の関係は、国民性がつくりあげた虚像のひとつとも言える現象なんです。では、詳しく説明していきますね。
日本人の生命保険加入率
生命保険文化センターの平成27年度「生命保険に関する全国実態調査」によると、日本人の生命保険の加入率は以下のようになりました。
前回調査の時から約1.3%低下したとはいえ、未だに日本人世帯の約9割が生命保険に加入していることが分かります。今年2018年12月に最新版が更新されますから、この数字がどうなるのか楽しみですね。
この加入率は、世界から見てもとても高い数値です。スイス再保険会社が行った2011年の調査によると日本の生命保険料総額は米ドル換算で5250億ドル、それに対して米国は5380億ドルと、人口規模において大きく差をつけられているにもかかわらず生命保険料総額は世界2位です。
「日本人は保険好き」や「生命保険大国」と呼ばれる理由もわかりますね。
生命保険をよく理解せず加入している日本人?
ところが、日本人は特に保険が好きというわけではないようです。私もこれまで保険を通じて多くの人の保険の見直しをしてきましたが、「よく分からないけど念のため入ってるんだよね」や「勧められて入ったんだよね」という人がかなり多かったです。
こうしてみると日本人は生命保険に加入する心理的ハードルはかなり低いものの、本当に自分にとって必要な保険かどうかという点についてあまり考慮していない場合が多いようです。
実際、生命保険文化センターの調査には、こんな項目もありました。
「生命保険や個人年金保険に関する知識全般についての自己評価は?」
そして、その結果がこちら。
「十分に知識がある」 29.9%
「ほとんど知識がない」 68.6%
9割もの日本人世帯が生命保険に加入しているにも関わらず、その内の7割もの人が自分の加入している生命保険のことについてほとんど理解していなかったんです。
個人的な感想ですが、この数字を見て「日本人っぽいなぁ。日本人の国民性がよくでてる。」と感じてしまいました。
周りに合わせる。
周りがやっているから自分もやる。
そういう教育をされてきた私たち日本人は、そういった考えのもとに、しっかりと考えることもなく生命保険への加入をしているというのが現状なのです。
まとめ
以前、こんなニュースがありました。
日本の就職活動について
黒髪・黒スーツ・黒シューズ・黒バッグが新卒一斉採用を行う日本における一般的な就職活動スタイルです。
日本では、こういった場では個性を出さず、周りと同じで当たり前というスタイルが、海外からみて異様に見えるらしいというニュースでした。
実際、私自身新卒の頃はばっちりリクルートスーツで就職活動をしていましたし、それが当たり前だと感じていました。このことについて何の疑問もいだきませんでした。
もちろん、別にこれは決して悪いことであるとは言いません。
ただ、何事に対しても「本当に必要なことなのか」という本質を考え、自分の行動に反映させていかなければ、少子高齢化や産業競争力の低下している現代の日本を生きていく上では不利にならざるを得ないでしょう。
少し話が逸れてしまいましたが、このことは日本人の加入率が約9割を占める生命保険においても同様です。
あなたの加入している生命保険は本当に必要ですか?
実はその保険を解約することで今の生活がもっと豊かになるんじゃないですか?もしくはその資金を資産運用に回したほうが老後が安心になりませんか?
今一度、自分の周りの状況を見直してみてください。